研究概要

唾液腺細胞の培養系構築

唾液には消化作用のほか、潤滑作用、自浄作用、抗菌作用などがあり、分泌が低下すると、うまく話すことができなくなったり、味を感じにくくなったり、感染症にかかりやすくなったり、生活に支障をきたします。

唾液分泌障害は、水分の摂取不足、加齢や全身性の病気のほか、がん治療によっても引き起こされます。当研究室では、特にがん治療による唾液分泌障害を予防するためのがん支持療法開発を目標においた研究を行っています。

当面の目標は、唾液腺細胞の培養系構築です。唾液腺細胞は体外での培養が困難でしたが、当研究室では、マウス胎児からの顎下腺の単層培養に成功しています。現在は、がん治療で特に問題となるマウス成体の耳下腺の体外培養に挑戦しています。

唾液腺の培養細胞は、唾液腺傷害メカニズムの解明のほか、唾液腺防護剤のスクリーニングや新規ケアの検証などに使用します。