合同セミナーがスタートしました

医学部放射性同位元素研究室との合同セミナーを開催しました。記念すべき第1回は放射性同位元素研究室の博士課程2年生のYさんの論文紹介でした。

大学院修了生のSさんも飛び入り参加していただきました。

新プロジェクトをスタートさせました

気がつけば、もう前回の投稿から半年も経っておりました!外ではセミの声が聞こえなくなり、虫の声が大きくなっていますね。

講義準備と慣れない運営関係で締切に追われる自転車操業の半年でした。その上、助産師養成課程新ビル建設に伴って、一部実験室が使えなくなり、その引っ越しや地震による被害と思われるエアコンの故障とラボ準備室の天井の落下などなど、、、重なれば重なるもので、大変でした。

しかしその間にも当研究室に卒研希望者(看護研究II履修生)が3名も来てくれて、実験もスタートさせました。マウスの放射線照射実験を一緒にやってくれています。ありがたい、ありがたい。これは何年か前から計画していた新プロジェクトです。

このプロジェクトは、うまくいくかどうかまだまだプレ実験(プレプレ?)の段階ですが、大学が夏休みに入ってから少しずつ進めてきたところ、見通しが立ってきました。9月になってようやく実験の時間がまとまって取れるようになってきたので着々と進めていきたいと思います。

「ひとつひとつかたずけてゆくんだね 具体的にね」相田みつを

山はまだ雪ですが、、、

福島医科大学から見える安達太良山や吾妻山はまだ雪に覆われていますが、光が丘キャンパスは少しずつ緑が見え始め(ているような気がする)、日差しも暖かくなって、気持ちのいい天気が続いています。私の心にも少し春が来ました。

先週、科学研究費の審査発表があり、今回も採択していただけました。少なくとも3年間はお金の心配なく研究に集中できるというのは本当に嬉しくありがたいことです。

今回は、コロナ感染対策の影響、科研費の〆切日の前倒し(!)の他、個人的な事情としてラボの引っ越しや新しい授業の準備も重なって疲労困憊、時間無しの中での応募でした。その中でもギリギリなんとか今できるベストな申請書を出したつもりです。これまでの蓄積があったからこそ書けた申請書だと思っています。

若い頃は「自分の力だけで成し遂げた」と思っていることが多かったように思います。でも、今は、周囲の助けや目に見えない力がなければ何もできなかったことが分かってきました。お陰様で通していただいたと思っています。

科研費の「採択」の文字を見たときは、湧き上がる喜びで思わず飛び上がりましたが、その喜びも一瞬、すぐに我に帰り、支援してくれている人や科研費の先にある目標達成のために、もう少し猪突猛進で行こう、と気を引き締めて決意を新たにしました。

明けましておめでとうございます

当研究室も、今年は福島医大での2年目を迎えます。この一年は新授業の準備と片付けに追われてあっという間に過ぎました。今年は研究の歩みをもう1歩もいえいえ3歩も進めたいところです。

今年認可された福島医大看護学研究科の博士課程はこの4月からスタートしますが、当研究室の学生はまだ山形大学から一緒に来てくれたMさんのみです。修士課程は、当研究室では2023年から募集を開始します。我こそは、という方は是非一度ご相談ください。

研究も進めたいし、研究者も育てたいし、やりたいことはたくさんありますが、焦らずひとつひとつ進めたいと思います。とりあえずは、私の異動とCovid-19で滞っていたラボの活動を通常営業に戻すところからです。

みなさま、今年もよろしくお願いいたします。

大学院看護学研究科「博士課程」が設置認可されました

申請中であった大学院看護学研究科の「博士後期課程」が設置認可されたと連絡を受けました。これまで長らく計画はあったものの、険しい道のりであったと方々から聞いておりましたが、ついに実現の運びとなりました。

私が採用された時にはすでに申請書が形になっていた時だったので、私は教員の一人として加えていただいたに過ぎませんが、関係者の皆様本当にお疲れ様でした。このような時期に着任できて私は幸運でした。

大学院で看護を研究をすることが必要なのか?と疑問に思う方もいるでしょう。世界で比べれば日本の看護のレベルは高いということですが、これからは何が起こるかわからない時代です。おまけに思った以上に医療行為も高度に変化しています。看護もこれまでどおりに先輩に習って同じことをやればいい、というのでは対応できない事態が多くなります。そんな時代にあっては、何人かはこれまでの看護方法を科学的に観て改良したり、創造的に看護を作り出す人がいた方がいいのではないでしょうか。大学院では自分の頭を使って考えたりそれを実行して発信したりする方法を学びます。修了生は、時代の先端を走る人材になってくれると信じています。

定員が2名と少ないのですが、これから福島県内にも研究を極めたいという意欲的な学生が増えてくれば定員も増加していくことでしょう。

私も気持ちを新たに頑張ります。当研究室で一緒に研究してくれ方をお待ちしております。

【入試説明会 11月13日(土)15:00〜】

https://www.fmu.ac.jp/univ/daigaku/topics_data/20211001_kango_hakase_setumeikai.pdf

看護系大学で生命科学を教えたい看護分野出身の学生さんへ

看護分野出身で生命科学系の科目を教えている人は多くはありませんが全国では何人かいます。志す方がどんどん出てきてほしいと思っています。聞かれることが多いことに対する答えをまとめてみました。

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生命科学系によらず、大学の先生はなろうと思わなければなれないけど、なろうと思ってもなれないこともあります。チャンスが来たときに逃さずそれをつかめるだけの用意が必要です。努力と継続とその蓄積です。

具体的には、

  1. 若いうちは好きなテーマを見つけてできるだけ時間を作って研究に没頭して楽しみましょう。これが一番大事です。もちろん研究を楽しんだ結果として学位を取ることは必須!!です。ブレずに業績と経験を積みながらチャンスを待ちましょう。
  2. そして色々な人に研究内容や経験の話を聞いて知識や見聞を広げましょう。ついでに自分も知ってもらいましょう。
  3. 非常勤(アルバイト)であっても3年くらいの臨床経験があればなお安心(採用の時に問題になることもない)でしょう。
  4. そして機会がきたら教育歴もつけましょう。それはつまり、30代半ばまでには1回でも助教になることです。
  5. (optional) J-RECINなども活用して研究職の募集動向にも目を向けてみましょう。


大学の先生は一般的に研究が主な仕事です。なので大学教育は、研究に裏打ちされたものであるべきだと私は思っているし、いい研究をしようと思っていれば、それがいい教育につながります。ただ教えるだけではそのうち自分も飽きますし専門学校と変わりなくなります。最後まで情熱を持って時代に合わせながら指導できるのは自分の興味がある研究があればこそです。もちろん大学院教育も担うことになるので、当然学生に研究指導もすることになります。自分が専門だと言えるものを持ちましょう。


臨床経験について気になる人が多いと思うので、補足すると、、、

この場合は非常勤ではなくて常勤のフルタイムの臨床経験についてです。考え方が色々あると思います。基礎研究を目指すにあたっては、臨床にいる時間がもったいないと考える人もいます。基礎研究には膨大な時間がかかり、一刻を争う競争でもあるからです。一方で、臨床経験が良い研究や教育につながった、と振り返る人もいます。また、採用担当者が、臨床経験は必須と考えていたり、またそうでもなかったり、その時、その人それぞれなので一概に言えません。自分はどうしたいのか、自分が信じて一度決めたら迷わない、後悔しないことが幸せにつながるのではないでしょうか。

着任しました

ブログをご覧の皆様、山形大学看護学科卒業生の皆様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。そして、福島県立医大のみなさまには着任のご挨拶を申し上げます。

関亦明子は、この春に山形大学より異動し、福島県立医科大学で看護学部生命科学部門教授として新たなスタートを切りました。これまでの研究テーマはそのまま続ける予定ですが、この機会に新しいプロジェクトも縁次第でどんどん取り入れていきたいと思っています。

実験室はまだ写真のような状態です。ようやくオフィスやパソコンが使えるようになったところで、講義の準備や移籍関係の書類に埋もれていますが、早く実験が再開できるようにセットアップを頑張ります。

福島医大では博士課程も設置準備中です。設置されたあかつきには、福島医大の学生さんはもちろんのこと、山形大学看護学科卒業生の皆様もぜひチャレンジしてください。お会いするのを楽しみにしております。

あけましておめでとうございます

昨年1月からの突然のCovid-19の拡大で、それからはコロナ一色であっという間の1年だった気がします。日常は容易に変わり得ることをまた思い出させられました。私の年齢のせいもありますが、毎日の変わりない生活が貴重で大切だと思うようになりました。

講義のやり方も変わりました。オンライン講義は受けている方はまるでテレビかラジオの講義を受けているような受け身に感じます。しかし、見方を変えるとより集中できるという利点もあります。また、遠い場所にいる講師のオンライン講義を受けることも普通になりました。

良いことも悪いことも私たちは生きている限り受け入れていくしかありません。何か事が起こるとどうしても気持ちが揺れて不安になってしまいます。どんな場合でも大丈夫、その時その時で何かしらアイディアと工夫の積み重ねで新しい日常をゆっくり作っていくのがヒトという生物です。そう信じたいと思いますし、私も自分にできることを全てやりながら、落ち着いて対応しようと自分に言い聞かせています。

今回の第三波は感染者がまだまだ増加しそうな勢いで先が見えませんが、こんな時期に新人として医療現場で働き始めた卒業生が心配ですし、常に緊張を強いられている現場の医療従事者の皆さんには頭が下がります。期待のワクチンが効くことを願い、今年はCovid-19がコントロールできるほどに収束して、みんなで希望が持てる年末を迎えられることを祈っております。

皆様にとって良い年となりますように。

黒木登志夫先生に「新型コロナの科学」のオンライン講義していただきました

12月17日木曜日の夕方、1年生看護微生物学の1コマとしてサイエンスライターの黒木登志夫先生に「新型コロナの科学 -パンデミック、そして共生の未来へ-」と題してオンラインでお話しいただきました。本の出版や会議の合間のお忙しいところをありがとうございました。

黒木先生に講義をお願いできたのは、黒木先生が私の大学院時代の恩師だったからです。その頃は悪さばかりしてご迷惑をおかけしたのにもかかわらず、見捨てずに今になっても講義を引き受けていただいて大変感謝しております。

講義の内容はウイルスの基本から、どのようにして世界に広まったのか、これまで日本では感染者や重症者が少なかった理由の考察などたくさんのデータであっという間の1時間でした。黒木先生らしく、データを用いて客観的で学問的に整理されたお話は、世界の大変な騒ぎにもかかわらず、面白く興味を持って聴くことができました。最後にはワクチンへの期待が追加され、希望を持っての終了となりました。

来週12月22日火曜日には黒木先生の本「新型コロナの科学」が店頭に並ぶそうです。立ち読み版を送っていただきましたので、ご自由にダウンロードしてください。

動物実験セミナーで牧野さんが発表しました

毎年恒例の山形大学医学部動物実験セミナーで修士2年生の牧野貴大さんが修士論文の成果を発表しました。少し緊張しながらも堂々とした発表ぶりでした。成体マウスの耳下腺の培養実験も、こうしてまとめて発表してみるとまだまだ裏付けなどのデータが足りないものの、なんとかここまでは来れたなー、という思いはあります。

ここまでくるのにも多くの方に助けていただきました。今回は特に、志半ばで突然亡くなった共同研究者の千葉大学の野川宏幸先生の協力無しには進められなかった研究です。感謝いたします。そして、何よりも、忍耐と根気のいる継代培養を最大6ヶ月にもわたってコンタミもせずに続けてきた牧野さんの成果です。この調子で、修論審査も乗り越えましょう!

しかし、どうしても情報交換が普段から不足しがちなので、それが悩みの種です。幹細胞培養は進展が早い分野なので、出版された論文を参考にするだけでは遅れてしまいます。さてどうしたものか。なんとか論文にできるまで頑張りたいものです。