看護系大学で生命科学を教えたい看護分野出身の学生さんへ

看護分野出身で生命科学系の科目を教えている人は多くはありませんが全国では何人かいます。志す方がどんどん出てきてほしいと思っています。聞かれることが多いことに対する答えをまとめてみました。

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生命科学系によらず、大学の先生はなろうと思わなければなれないけど、なろうと思ってもなれないこともあります。チャンスが来たときに逃さずそれをつかめるだけの用意が必要です。努力と継続とその蓄積です。

具体的には、

  1. 若いうちは好きなテーマを見つけてできるだけ時間を作って研究に没頭して楽しみましょう。これが一番大事です。もちろん研究を楽しんだ結果として学位を取ることは必須!!です。ブレずに業績と経験を積みながらチャンスを待ちましょう。
  2. そして色々な人に研究内容や経験の話を聞いて知識や見聞を広げましょう。ついでに自分も知ってもらいましょう。
  3. 非常勤(アルバイト)であっても3年くらいの臨床経験があればなお安心(採用の時に問題になることもない)でしょう。
  4. そして機会がきたら教育歴もつけましょう。それはつまり、30代半ばまでには1回でも助教になることです。
  5. (optional) J-RECINなども活用して研究職の募集動向にも目を向けてみましょう。


大学の先生は一般的に研究が主な仕事です。なので大学教育は、研究に裏打ちされたものであるべきだと私は思っているし、いい研究をしようと思っていれば、それがいい教育につながります。ただ教えるだけではそのうち自分も飽きますし専門学校と変わりなくなります。最後まで情熱を持って時代に合わせながら指導できるのは自分の興味がある研究があればこそです。もちろん大学院教育も担うことになるので、当然学生に研究指導もすることになります。自分が専門だと言えるものを持ちましょう。


臨床経験について気になる人が多いと思うので、補足すると、、、

この場合は非常勤ではなくて常勤のフルタイムの臨床経験についてです。考え方が色々あると思います。基礎研究を目指すにあたっては、臨床にいる時間がもったいないと考える人もいます。基礎研究には膨大な時間がかかり、一刻を争う競争でもあるからです。一方で、臨床経験が良い研究や教育につながった、と振り返る人もいます。また、採用担当者が、臨床経験は必須と考えていたり、またそうでもなかったり、その時、その人それぞれなので一概に言えません。自分はどうしたいのか、自分が信じて一度決めたら迷わない、後悔しないことが幸せにつながるのではないでしょうか。